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製造業のポカよけ・属人化を解消!スマートグラス×デジタルトルクレンチの導入事例

こんにちは!広報の林です。

今回のテーマは、製造業における永遠の課題「ポカよけ」「作業の属人化」についてです。

人に頼る作業で避けられないとされるミスや品質のばらつきに対して、スマートグラスと特殊工具を使ったソリューションを提供した事例をご紹介します。

  • オリジナルのパッケージを作りたい商社様
  • 製造業の「品質管理・生産技術」部門の責任者、DX部門の方

このような方にぜひ見ていただきたい内容です。どうぞ最後までお付き合いください。

1.ハンズフリー×デジタル品質管理 -作業員の負担を減らしつつポカヨケを起こさせない仕組み-

今回の事例は、とある商社様からいただいた「エンドユーザー(製造業)向けのスマートグラスとデジタルトルクレンチを使ったシステムを作りたい」というご依頼がきっかけでした。

エンドユーザーは車や航空機など、現場作業員のミスが顧客の命に関わるような「高度な品質管理を求める現場」で、デジタルトルクレンチという特殊工具を使うことを想定していました。

デジタルトルクレンチとは

ご存知の方が多数だとは思いますが、改めてデジタルトルクレンチの役割と、高度な品質管理を求める現場で使うメリットについておさらいしてみましょう。

そもそもデジタルトルクレンチとは、ボルトやナットを締め付ける際の力(トルク値)を数値で測定し、液晶ディスプレイなどにデジタル表示する工具のことです。

  • 正確な数値管理で誰でも均一な作業ができる
  • あらかじめ設定したトルク値に達すると音や光、振動で知らせてくれる
  • 締め付けた記録を本体に保存したり、BluetoothやZigbeeでPC・スマホに転送できる

こうした利点があり、冒頭でお伝えしたような「ポカよけ」「作業の属人化」を防いでくれるという製造現場の立役者なんですね。

デジタルトルクレンチ×スマートグラスによる現場DXの仕組み

今回弊社が開発したのは、先ほど紹介したデジタルトルクレンチとスマートグラスを融合させた現場DXシステムです。

作業指示の自動読み込み(プリセット表示)

管理者があらかじめ準備しておいた作業指示(プリセット)をQRコードに落とし込み、現場作業者がQRコードをスマートグラスのカメラで読み込むと「どのトルクを使用するのか」「トルク目標値」などが表示されます。

ポカヨケ機能

プリセットのトルク目標値に達しないと「OK」が出ず、次の工程に進めない仕組みです。逆に、締めすぎた場合はアラートを表示してログに残します。

また、指定された工具に合わない工具で締めようとするとシステムが拒否するので、工具の取り違えも防ぐことができます。

作業ログの自動保存 ※特に重要

作業開始と同時にスマートグラスのカメラが起動し、1回締めるごとにスクリーンショット+締結時のデータが保存されます。「誰が・いつ・どのボルトを・どのくらいの力で締めたか」というデータがリアルタイムでサーバーに送信されるので、後から手書きの作業報告書を作成する手間も要りません。当然、データ改ざんの心配もありません。

3. 開発にあたり苦労したことを技術者にインタビューしました

今回は、スマートグラスにプリセットを表示させるということで、限られた視界に作業者に必要な情報をどう伝えるかという画面のデザインで苦労したそうです。

作業前に首振りで矢印の位置を動かして、位置を確定してから作業を開始するという挙動になっており、その仕組みを作るのも難しかったとのこと。

また、トルク目標値とトルク実績値(実際に締めた数値)の検証でもかなり苦労したそうです。というのも、トルク実績がスマートグラス画面に正しく表示されているか確認するには、実際にナットやボルトを締めてみる必要があります。

そういえば当時、エンジニアのCさんが最近頻繁にオフィスの椅子をひっくり返しては、あまり見かけない工具でネジを緩めたり締めたりしているなぁと思っていました。内心「どんなけ椅子壊れるねん」って思ってました。ほんとにすみません。

検証に時間や手間がかかるという点では大変だったようですね。

4. お客様と共に創り上げたシステム

今回ご相談いただいた商社のご担当者様はITの知見が豊富で、お客様から「こういう製品ない?」というご要望があった際に「自社のデータベースになければ創ろう!」というバイタリティ溢れる方でした。商社マンの鏡ですよね。

弊社は、大規模なシステムに付随する小~中規模開発やウェアラブルデバイスなど新しい技術を活用した開発が得意なので、小回りが利いて色々できるSIerとしてご依頼いただいたとのこと。

また、ふわっと「こんなことがしたい」というご要望を、実際のコードに落とし込む「実装」の部分は弊社の得意分野でもありますので、先方のご担当者様と共に何度も相談を重ねて作り上げたのが今回のシステム。

試行錯誤しながら、工場という過酷な通信環境も考慮しつつ、実際に現場で動いてくれるシステムを共創しました。

今回はエンドユーザーが決まっておらず、納品後に先方が販売していくという形でしたのでエンドユーザーからの直接の反響はわかりませんが、その後デジタルトルクレンチ関連で追加開発の機会をいただいたので、おおむねご好評だったように思います。

もっと詳しく話を聞いてみたい!という方は、まずは壁打ち程度に無料相談してみませんか?お気軽にお問い合わせくださいませ。

では、次のブログもお楽しみに。

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林

執筆者

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